山口大学工学部循環環境工学科

研究内容

大気汚染物質(NOx, CO)の分解を目指した有機卑金属触媒の開発

隅本 倫徳

   自動車が人類の主な乗り物となって以来、排気ガス中に含まれるNOxやCOなどの大気汚染物質の無害化は現在においても非常に重要な解決すべき課題です。現在、自動車においてこれらの分解は、金属酸化物上に貴金属粒子を担持した三元触媒を用いて行われています。しかし、貴金属はレアメタルと呼ばれる希少な金属であり、資源の枯渇や価格高騰の問題もあります。本研究では、貴金属を用いない安価な卑金属を用いてこれらの無害化を目的とした、新たな卑金属触媒の開発を目指しています。

金属錯体の分子物性評価

隅本 倫徳

  実験的に得られている物質は、さまざまな測定装置によりその物性を評価することができます。しかし、その物性発現の要因を実験のみで特定することは困難な場合が多く、近年ではその解析法の一つとして計算化学が利用されています。計算できる分子はコンピュータの性能に依存するため、数十年前には、置換基などをモデル化した比較的小さな分子での計算しかできませんでしたが、近年の目覚ましいコンピュータ性能の向上と共に,計算できる分子も巨大化しており、リアルな化学物質の評価も可能となっています。本研究では、既知分子に関して物性発現の要因解明、および新規機能性分子の分子設計を行っています。

複合電子系触媒を用いた化学反応解析

隅本 倫徳

  有機金属触媒を用いた化学反応は、近年の有機合成化学分野において重要な合成手法の一つです。また、金属と炭素との結合を含む有機金属触媒は、電子状態も複雑化し、反応機構の詳細が明らかとなっていないものも多く存在しています。これらの有機金属触媒を用いた化学反応に計算化学を適用し、実験的には観測することのできない遷移状態構造を含め各段階の分子構造を計算することで、活性化自由エネルギー、各分子の電子の流れ、および律速段階などを算出し、有機金属触媒反応の謎を解明していきます。また、得られた反応機構をもとに、化学反応の収率向上のための反応設計、反応制御、および新規触媒設計を行っています。

研究者の紹介
氏 名(フリガナ) 隅本 倫徳(スミモト ミチノリ)
所 属 大学院創成科学研究科
学 位 博士(理学)
研究室ホームページ 隅本研究室
研究キーワード 計算化学、化学反応、材料設計
隅本 倫徳
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