山口大学工学部循環環境工学科

学科紹介About us

『循環環境工学科』の由来

黒煙

 ジレンマという言葉があります。2つの問題があり、一方を立てれば一方がうまくいかない。ひと昔前のわが国は「経済発展」と「資源・エネルギー問題」がちょうどそのジレンマの関係にありながらも、目まぐるしい発展を遂げてきました。しかし、みなさんは身をもって「地球がおかしい」と感じていませんか? 私達の普段の生活から大量に発生するごみ、枯渇が近いと予想されているエネルギー資源、局地的大雨や集中豪雨に伴う自然災害、そして歯止めが効かない地球温暖化…。私達の身の回りから地球規模にいたるまで、様々なレベルで環境破壊は進んでいます。このジレンマ+環境問題の状況をトリレンマといいます。このトリレンマを克服するためには、人類の営みが持続できるように資源を循環させながら活用する社会の構築が必要です。これが『循環環境工学科』の冒頭の二文字です。

なぜ環境工学を学ぶのか?

環境

 地球に暮らす私たちにとって環境は切っても切り離せない関係にあります。今を生きている私達だけではなく、未来の子供たちのためにも、美しい環境を守っていかなければいけません。 水を節約する、電気の無駄遣いをなくす、ごみの分別をしっかりする、植林をするなど、家庭レベルで実践できる環境対策も非常に重要です。しかしながら、より積極的に環境問題を解決するためには、

などの高度な技術を開発することが必要となります。また、環境に関する技術者・研究者に求められる役割は、既に社会に認識されている環境問題を解決・緩和することだけではありません。

など、より積極的に環境問題の発生を事前に防ぎ、更には新しい産業を生み出すことが求められています。これらを実現するためには、環境に携わる高度な専門知識と技術を体系的に習得することができる「環境工学」を学ぶことが必要になります。

『循環環境工学科』の強み

ゼミ  循環環境工学科では環境化学・化学工学・衛生工学をコアとした理系学問を学び、環境に携わる技術者としての根幹を築くためのカリキュラムを用意しています。 特に本学科ではミクロ視点の物質化学からマクロ視点の地球観測データの活用など、幅広く様々な環境問題対策に取り組んでいる教員が在籍しており、 より具体的には資源・水・エネルギー・廃棄物・大気・地球観測といった環境問題領域について学ぶことができます。これらは政府が査定する「科学技術基本計画(*説明1)」の重要政策課題を解決するために必要な学問でもあり、さらに国連が定めた「SDGs(持続可能な開発目標)(*説明2)」と強く関連しています。

 持続的社会をつくるためには、環境を見守るだけでなく、積極的に環境について学んで実践することが必要です。循環環境工学科は特色ある教育プログラムによって、環境に関する意識が高く、かつグローバルな問題の解決を目指す研究者や技術者を輩出します。持続可能な社会づくりに技術で貢献するためには、ぜひ、キミのチカラが必要です。

補足説明

  1. 「科学技術基本計画」は、科学技術基本法に基づき政府が策定する、10年先を見通した5年間の科学技術の振興に関する総合的な計画。そしてその第5期基本計画では、資源・エネルギー・自然災害・宇宙利用など循環環境工学科が取組むテーマは重要政策課題とされている。
  2. 「SDGs」はSustainable Development Goalsの略であり、2015年の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標である。17の大きな目標とそれらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されている。貧困や飢餓・健康と福祉・水と衛生・クリーンエネルギー・気候変動への対策・豊かな自然の保護など循環環境工学科が取組むテーマが多く含まれている。
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