山口大学工学部循環環境工学科

研究内容 【PDFでのダウンロードはこちらから】

泡の力で・・・

今井 剛

  私たちは生活の中で必ず排水を出しています。トイレ、お風呂、洗濯、台所、洗面所など。この排水は下水処理場に集められて、きれいに浄化されてから川や海に戻されています。この浄化の過程で、必ず必要となるのが酸素です。排水を浄化してくれるのは微生物です。この微生物は酸素がないと働けないので、酸素が必ず必要なのです。この酸素を供給するために、下水処理場の消費電力の40%から50%が使われ、多くのコストがかかっています。そこで、そのコストを少しでも安くするために、私の研究室では泡の力を利用する研究を行っています。泡の力を利用すると30%程度のコストカットができるという結果が得られています。詳しく知りたい人はメールで問い合わせてください(imai@yamaguchi-u.ac.jp)。

リンは大切な・・・

今井 剛

  皆さん、リンは大切な、石油にも優る枯渇資源だということを知っていますか?石油や石炭などの化石燃料が枯渇しても、再生可能エネルギーを開発すれば(まだまだコスト面で問題が多いのが現状ですが・・・)解決します。しかし、リンはほぼすべての生物(微生物から動物に至るまで)に必須な元素です。特に日本は、リンの全量を海外から輸入しているため、リン資源の保有国が輸出をやめれば、大変な状況になります。これを回避するためには、私たちの社会の中で、リンを循環資源としてできるだけ継続的に利用できる技術が必要です。そこで、私の研究室ではリンを回収・リサイクルするための材料の開発を行っています。詳しく知りたい人はメールで問い合わせてください(imai@yamaguchi-u.ac.jp)。

発電する微生物・・・

今井 剛

  下水管の中には多くの微生物がいます。この微生物の中には、硫化水素(卵が腐ったときのあのイヤーな匂いの原因となる有害なガスです)を発生させるものがいて、発生した硫化水素は硫酸へと変化します。この硫酸によって下水管が腐食され(下水管はコンクリートでできていてアルカリ性のため硫酸に弱いのです)、道路の陥没を引き起こします。そこで、私の研究室では発電菌と呼ばれている特殊な微生物を使って、硫化水素の発生を抑えるための研究を行っています。この発電菌は下水管の中で発生した硫化水素を無害な硫黄に変えてくれる働きをしますが、この発電菌が働くためには、下水管の中に電気を通すための仕掛けが必要です。しかし、通常の下水管は電気を通しません。そこで、コンクリートの中に導電性物質(電気を通す材料)を混ぜた新しい下水管を開発してその有効性を確認するための実験を行っています。詳しく知りたい人はメールで問い合わせてください(imai@yamaguchi-u.ac.jp)。

研究者の紹介
氏 名(フリガナ) 今井 剛(イマイ ツヨシ)
所 属 大学院創成科学研究科
学 位 博士(工学)
研究室ホームページ 今井研究室
研究キーワード 排水処理、廃棄物処理、環境保全
今井 剛
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