山口大学工学部循環環境工学科

研究内容 【PDFでのダウンロードはこちらから】

塩分濃度差エネルギーの有効利用(研究センター:BEST)

比嘉 充

   2015年のパリ協定発足後より、日本は地球温暖化を防ぐためにCO2排出量を減らす必要があり、火力発電に依存した現状から脱却し、再生可能エネルギーをより獲得していく必要があります。しかしながら再生可能エネルギーの発電出力は専ら自然の流れに依存してしまうため発電量の制御が難しく、私達が安心して電気を使うための“電力安定供給”を達成するためには、太陽光・風力・地熱・バイオマス・海洋エネルギーといった様々な種類の再生可能エネルギー源を確保してリスクを分散させることが重要になります。本研究センター(通称:BEST)では、海洋エネルギーである塩分濃度差エネルギー(Salinity Gradient Energy (SGE))を新たな再生可能エネルギー源として着目し、様々な国内外の企業/自治体等と連携を行いながらSGEを利用した様々な技術開発(例:CO2フリー電源、CO2フリー燃料製造(水素やアンモニア)、創エネ型の次世代水処理技術、医療分野への応用技術など)を進めています。

海水と下水処理水からの水素製造

比嘉 充

  地球温暖化を止めるべく二酸化炭素排出量を減らす必要があり、特に日本のエネルギー分野においては、いかに火力発電から脱却するかが重要になります。したがって再生可能エネルギーを利用した発電技術は、持続可能な社会を構築するために今や必要不可欠となり、近年では日本だけではなく世界中に広く速く普及してきています。しかしながら、例えば太陽光や風力では曇りや風のない日は発電ができず、エネルギーの安定供給に未だ課題があります。そのような中、再生可能エネルギーを「ガス燃料(水素)」として貯蔵する「Power-to-Gas (PtG)」技術が注目されています。そこで本研究では、新たな再生可能エネルギーとして注目されている、海水と下水処理水の間の塩分濃度差エネルギー(SGE)を利用し、そこから水素を直接製造(つまり、海水 + 下水処理水 → 水素)するための技術の研究開発を進めています。

機能性荷電膜の開発、および水/エネルギー分野への応用

比嘉 充

   現在、世界中で水環境を取り巻く問題が深刻化しており、また原子力や化石燃料だけに頼るのではなく、再生可能エネルギーの重要性が高まっている。2015年の国連サミットでの国際目標(SDGsの目標2(水資源)と目標7(エネルギー))にも掲げられるこれらの水・エネルギー問題を解決に貢献するためのコア技術の1つに分離膜がある。本研究では分離膜の中でも、膜内に固定荷電基を有する分離膜(イオン交換膜やモザイク荷電膜など)に着目した研究開発を進めている。ここでは様々な膜の試作を行い、得られた膜を用いて淡水化や廃水処理といった水処理分野のみならず、製塩・電池・食品飲料・化成品など幅広い分野での応用に向けた検討や、またエネルギー分野においても燃料電池用途や、逆電気透析発電等をはじめとする新たな用途開発に向けた検討を行っています。

研究者の紹介
氏 名(フリガナ) 比嘉 充(ヒガ ミツル)
所 属 大学院創成科学研究科
学 位 工学博士
研究室ホームページ 比嘉・杉本研究室
研究キーワード 塩分濃度差発電、分離膜(荷電膜)、BEST
比嘉 充
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